NY便り:その1

  • 2009.07.26 Sunday
  • 22:19
おとついNYの義母の家に着いた。25でアメリカに渡って以来、
1年に1回は日本とアメリカを行き来している生活である。旅費は
家計の中に組み込まれているのが常識となってほぼ20年。今7才の
娘にいたっては、生後6ヶ月から太平洋を行き来している。因に彼女の
最初のパスポートの写真は首がまだ座ってないときに撮ったもので、
よだれまでたらしていて結構笑える。

私がアメリカに移住していなければ、もちろんこんな生活はなかった訳で、
カリフォルニアに移住して最初の5年くらいは本当に日本が恋しくて帰らず
にはいられなかったのだ。私の周りにいたアメリカ人は、やりたい事を
我慢して貯蓄するより”今を楽しむ”人が圧倒的に多かったので、夏休みとも
なれば今年はどこに行く?の話題で盛り上がる。
周りがそんなだから余計に拍車もかかる。


夕べ義母のお友達の日本人のご夫婦が夕食に来られた。もうアメリカに
来て45年位の70代半ばのご夫婦だ。食後のチェリーをつまみながら、
ご主人の方がしみじみと

「この歳になると、もう楽しみは食べることだけだね。
日本に帰って美味しいものを食べた時には涙がでることがありますよ。
私は日本に帰りたいと言うのだが、妻が”じゃあご勝手にどうぞ”と言うのでね....」

と苦笑されていた。アメリカの食事では涙は絶対に出ないそうだ。

奥様の方は、3人のお嬢さん達がそれぞれに子供を産み近くに住んで
いるし、お友達も沢山あるしで全く日本に戻る気はないようだった。

義母によると、これはこの世代の日本人カップルにとても多いパターンだそう。


私はあのままアメリカに居たらどうだったろう...と考えてみるに
、”人とのつながり方”が日本の方が好き、という理由で日本に戻りたがった
ような気がする。アメリカで大人になったような私でも、人との付き合いは
日本の方がしっくりくる。一度顔馴染みになると人懐っこいし、グググと
深くお互いの懐に入り込めるから。ーそれが私にとって一番大切な事だから。

そのせいか日本に戻って4年も経つと、1年毎にアメリカの生活が遠くなって
いるのを感じる。先日のケネディ空港、話しかけられてモゴモゴしている娘に

「アメリカでは自分はどうしたいか、をはっきり言わないといけないよ。
アメリカ用のスイッチをいれようね!」

と半ば自分にも言い聞かせていた私がいた。










メルマガ15 ”えらい人”

  • 2009.07.23 Thursday
  • 20:57
配信日: July 23, 2009



July 23, 2009



"えらい人" と聞くと、皆さんはどんな人を思い浮かべますか?


私のイメージでまず浮かんでくるのは、ピカピカの図書室の棚に

あった『えらいひとシリーズ』のハードカバーの本です。4年生

まで電車で通っていた小学校がマンモス化し、家から5分ほどの

所にできた新校舎....森林保護地区に建っているので、校舎が薄緑

に塗られていたのが子供心に何とも感動を呼びました。そして

その図書室の棚にはほどよく光が射して、野口英世やエジソン、

ヘレン・ケラー等の”えらい人たち”は本当に偉く見えたのでした。


ところ&話は変わって。


娘の小学校のクラスの話。T 君のお母さんは耳が聞こえません。

去年学級委員をやっていた私は、連絡網を回すたびに彼女には

別途メールとファックスを出すという作業がありました。正直、

娘に宿題をさせながら夕飯の支度をしている忙しい時に、これ

をやるのは骨が折れました(母親が大抵つかまるのは夕飯どき)。


そんなある日、仲良しのお母さんから、「Aくんのお母さんは

手話を習い始めたんだよ!同じクラスに耳の聴こえないお母さん

がいる。せっかくだから、何か自分にできる事はないかと考えて、

手話を習ったら話ができると思ったんだって」と聞かされました。

私の口からついて出た言葉は「えらいなあ。私はそんな事、考え

もしなかった....」。私はAくんのお母さんの行動に感動しました。


もうひとつ、これは娘が3歳の頃の話。混んだJR奈良線に立って

乗っていたときのこと、突然娘が「おしっこ!」と叫びました。

私も含め、周りにいた大人達が一瞬緊張で固まりました。何とか

彼女の気を紛らわそうと必死の私....その時「ねえお嬢ちゃん、

二人でジャンケンしてあそぼっか」と突然声をかけて下さった

女性がいたのです。それからの数分間、娘は無我夢中でこの女性

とのジャンケン遊びにのめり込み、電車は無事、京都駅に到着...。

事なきを得たのでした。別れるとき「またね〜!」とさりげない

笑顔で降りて行ったあの女性の事は忘れられません。


『えらい人シリーズ』には載らなくても、こういう素敵な感動を

巻き起こす事はいつでもできるんだ...と思う今日この頃です。


アポロがくれる夢

  • 2009.07.21 Tuesday
  • 15:23
 今朝CNN を観ていたら、初の月面着陸を成したアポロ11号のアームストロング氏が出て来ました。「まだ生きてたんだ...」という歴史を目の当たりに見たような感慨と、もうひとつの感慨が...。それは白人の元飛行士達の横に黒人のオバマ大統領が立ち、握手をしていたから。

アポロ11号が40年前に月面に降り立ったとき、オバマ氏は8歳。あの当時、黒人の大統領がいつか生まれるなんて誰が考えていただろうか....と。

アポロに関しては、「月面着陸はなかった、当局の陰謀だ!」と論じる団体や、月の真近にまで行きながら、故障のため着陸できず命からがら戻ってきた宇宙飛行士達(13号)の映画化など、ドラマチックな話題が事を欠かないけれど、それほどまでに惹き付ける何かがあるのでしょうね。


明日は皆既日食(それも100年に一度の珍しい皆既日食とか)。


40年前の月面着陸は私は4つだったので、今ひとつ実感がないけれど、明日は宇宙と自分のつながりを身体で感じてみたい、と今からワクワクしています♪


メルマガ14 "ストレスレベルを知る" 

  • 2009.07.17 Friday
  • 16:07
配信日: July 7, 2009



東京はいよいよ本格的な夏らしいお天気となってきました。

昨日美容室に行くと、髪を洗ってくれた若い20歳すぎの

の男性が「ボク、本当に暑さに弱いんッスよね〜。ガクンと

食欲がおちて麺類しかノドを通らなくなるんで...」と言う。


私は密かに心の中で ”美容室でサッパリした後は、暑いこと

やし、久しぶりに肉でもガッツリ食べに行こ” と思っていた

のだ...人はそれぞれ、ですよね(笑)


ところ変わって。サンフランシスコでハードコアな勤め人を

していたとき、私は定期的にネイルサロンに通っていました。

出張が沢山ある一人暮らしをしていると、冷蔵庫の中はいつも

空っぽ、でも食事も買い物もすべて自分でやらなければならない。

だからせめて、爪くらいは誰かにケアしてほしかった。

サロンにはアジア系の優しい笑顔の女性たちが働いていたので

ホッとさせてくれるものもありました。


ある日曜日、またいつものサロンへ....。


「今日はどんな気分ですか?どの色がピンときますか?」


ズラーっと色鉛筆のように並んだ小瓶を笑顔で見せられると

やたら目につくのは血のように赤い色や、どぎついブルーなど。

きれいに塗ってもらった爪をヒラヒラさせながら、『何だか私

の手じゃないみたい』とうっとりして心が落ち着く私....。


そしてフと気がついたのです ー ”私はストレスがたまってくると

確実に爪の色が濃くなっている”ことに。そう思った途端、

さっきまでキレイ〜と思っていた自分の爪が、白雪姫の魔女の

爪に見えてきて...まるで自分に似合ってへん!と我に返りました。


別にマニキュアの色がどうのと言いたいのではありません。


自分なりの『何がどうなると”たまっている”のが分かるか』を

いくつか知っておくと、『たまり過ぎ』の前に対処できるという

事にそのとき気づいたのです。


ー自分の”バランス不調”に気づかせてくれる何か、です。


この他にも私の場合、

・編み棒すら持てなくなる(編み物好きで、一年中編んでいるのに)

・パンを焼く時、タネにあたる(練るのではなくパンチになる)

・お風呂の時間が異様に長くなる(皮膚がしぶしぶになるまで)


などなど、お恥ずかしいストレスバロメーターがいくつもあります。



ちなみに子供を生んでからは子育てに追われ、家人にも反対され、

いつの間にか爪を塗らなくなった私....「好きな色を塗ったら?」と

今言われたら、何色になるのでしょうかねー。


うーん。これは夏休みの宿題。


どうぞ素敵な夏を。

メルマガ13 ”パーソナル・ファンデーション”

  • 2009.07.17 Friday
  • 16:05
 配信日:June 25, 2009 


コーチになるための勉強をアメリカでしていた時、徹底的にやらされ

た事がありました。


その名も”パーソナル・ファンデーション”ー自分の基盤作りです。


「そんなあ、(当時)37で丸二で子供も生んで今さら自己基盤かい!

私は大丈夫やし」と思った自分が甘かった。大きく3段階に分けられた

プログラムを6ヶ月かけてこなし、最後は8週間の実習、且つ毎週の

レポート提出...。徹底的に自分と向き合わされた8ヶ月でした。


授業は電話会議制で英語で行われるため、文字通り世界中から生徒が集

まり、老若男女・多人種・多宗教のコーチ達との授業は、毎回それは

賑やかで、課題によっては泣き出したり、先生に喰ってかかったり...。


で。やって分かった事は、自分の事は分かってなかった....という事(笑)。


主な内容としては


妥協している事をなくす

過去の大掃除

毎日10個の習慣をこなす

自分のニーズを満たす

人間関係の線引きを明確にする

自己基準を上げる

価値観の洗い出し

家族との絆を深める

生活・人生を劇的にシンプルにする

.

.

.

などなど約20近くの項目を”実践”していくというもの。


やっていく内に、友人関係が変わったり、夫とのケンカが増えたりと色々

ありました。バンドエイドで見えない事にしていた過去の古傷も、勇気

出して手入れして。


かなり大変でしたが、進むにつれ、それまでの様々な気がかりが少しずつ

減り自分の輪郭がはっきりしてくる。終了した時にはかなりスッキリした

状態になりました。同時に、だからこそコーチとして人の話が聴けるよう

になるんだ...と実感。頭の中に大きな雑音があると、なかなか人の成長を

サポートするなんて事は難しいのですね。



人生をビル建設に例えるならば、これは一番大事な基礎工事の部分。

今思い返すと、コーチになる勉強とは他者とのコミュニケーションスキル

を学ぶ事だけではなく、コーチとなるための人間的な基礎固めでした。

とは言え、油断しているとすぐに老朽化してくるので(笑)、常に修復や

新建材を取り入れる事は必要ですが。



ー”成長し続ける”というのは中々に大変なこと。


でも自分らしいビルを建てるためならできる、と言う想いで日々頑張って

います。


「コーチになるために、アメリカでどんな勉強したの?」とよく聞かれる

ので、今回はその一部を紹介させていただきました。詳細にご興味のある方

は、下記のアドレスまで何なりとお気軽にお問い合わせください!


メルマガ12  "原風景と出会う"

  • 2009.07.17 Friday
  • 16:03

配信日:June 11, 2009



「Tell me about your safe place - あなたにとって安全な場所は?」


娘をカリフォルニアで妊娠していた時、毎週通っていたマタニティー

ヨガの先生にきかれた質問です。妊娠中というのは、”β何とかホルモン”

がマイナスの状態から一気に一万数値にまで上がるため、やたら感情的

になる傾向があるとか。それでなくても感情をモロに表現するアメリカ人

の輪の中でのヨガ。毎回の集まりはこうした先生からの質問で始まり、

妊娠中の不安と期待に押しつぶされそうになるそれぞれの想いを、

笑いあり・涙ありで語り合いました。


さてこの質問で私の番がまわってきたとき、とっさに出た答えは

「実家の裏にある竹林」でした。


「くみちゃん、地震の時は竹やぶに逃げなさいや、竹の根はものすご

しっかりしてるしな」という祖母の声がわあっと蘇ったのです。

おばあちゃん子で、小学校の低学年だった私は、


「そうか....私には竹やぶがあるんや」


と妙に安心したのを覚えています。

そしてそれを教えてくれた祖母のいることにも。


原風景を辞書でひくと『原体験を想起させるイメージ』とあります。そして、原体験とは『人の思想形成に大きな影響を及ぼす幼少時の体験』。


カリフォルニアに10数年、”裏の竹林”のことなどすっかり忘れていた私は

自分に驚きました。幼少時の体験は思い起こしてみると、美しい事だけでは

なく、できれば避けて通りたかった事も数々あります。でもそれら全部が

今の私を作ってくれてるんやなあ〜としみじみ感じた瞬間でした。


今やこの竹林は宅地開発のための工事用道路が真ん中を突っ切り、昔の美しい風情は見る影もありません。それでも私の中にはしっかりとその根を縦横無尽に走らせている風景があります。


大きな人生の決断を迫られるような時、大ピンチの時、私は無意識ながらも

この『竹林』に守られてきたような気がします。



...自分がブレそうになったら逃げ込める場所。

...そして自分を取り戻せる場所。



どこにいても引っぱり出せる、そんな私の原風景です。


メルマガ11 ”スザンヌの涙”

  • 2009.07.17 Friday
  • 16:02
配信日: May 28, 2009  ”スザンヌの涙”



私は東京に移る前はNY州北部、マンハッタンから車で約2時間の

ウッドストックという小さな街に住んでいました。60年代に伝説の

ロックフェスティバルがあったこの街は、今でもアーティストが沢山

住んでいて人口は6千人。そのうち日本人は三家庭、ほとんど白人。


そんな環境で、マイノリティー&コーチ同士ということで、私と意気

投合したスザンヌ。彼女は白人ですがレズビアンという少数派。

私が出会った時には(精子バンクを通して)可愛い女の子がいました。


彼女は毎夏、湖畔に住む両親の家にガールフレンドと娘の3人で滞在

するのをとても楽しみにしていました。その夏も「そろそろ2ヶ月分

の荷造りをしなきゃ!」と嬉しそうに笑う彼女のところに、突然の父親

の訃報が...。水着の代わりに喪服を入れて、号泣しながら車に乗る彼女

...周りの友人たちは私も含め、なすすべもなく見送るだけでした。


一週間が経ち、二週間が経ち....何か連絡をとった方がいいものかと心配

しているところに、グループメールで彼女からの近況報告が届きました。

私は即座に返信しましたが、彼女の別の友人のホリーは「私はこういう

状況がとても苦手。何て言っていいのかわからない...どうしよう、

どうしよう」と会うたびに返信を迷っていました。


夏が終わってウッドストックに戻って来たスザンヌとピザを食べた時の

こと。「この夏とても傷ついた事がある...」と彼女は娘を膝にのせて話し

始めました。彼女はホリーとはずっと前からの知り合いで、湖畔の両親の

家にも遊びに来たことがある仲。それなのに彼女からは何のメッセージも

なかった...。


「One sentence would do - ひと言でいいのに」


と言いながら、彼女はポロポロ涙を流し続けました。


「私はまだ父親のことで興奮しているし厚かましい事を言っているの

もわかってる、でもやっぱり傷ついた....」



私も内心ヒヤッとしました。あの時彼女からメールが来なかったら...。

彼女を本当に思いやる気持ちより、自分の苦手意識の方が先行していた

のではないか。ホリーのことを弁護しつつ心がうずきました。



『これからは、伝えたい事があったら、ちゃんと”そのとき”に 自分の

言葉で気持ちを伝えよう』と心から思いました。....美しく世慣れた

言葉じゃなくてもいいから。



夏のにおいがすると必ず想い出す友人の言葉、でした。

メルマガ10 "青い目・茶色い目" 

  • 2009.07.17 Friday
  • 16:02

配信日:May 12, 2009



先日、数十年前にアメリカのPBS(公共放送)で放映された

ドキュメンタリーを観る機会がありました。


舞台はアメリカ北西部の片田舎、居住者はすべて白人です。大人になっ

ても町から出て行く者は少なく、ハイルスクールのカップルがそのまま

結婚して子供を生むような。そんな町の小さな小学校の女性教師がある日、

ずうっと学生時代から温めて来たプログラムを実施しました。


まず先生が、受け持ちのクラス(3年生)の子供達を青い目と茶色い目で

二つのグループに分けます。一日目は、機会がある度に青い目グループに

茶色い目の子供達を徹底的に差別する態度・言葉を浴びせかけさせます。


「茶色い目の子って勉強できないよね」

「茶色い目だから可愛くないよね」


子供達の信頼厚いこの先生もこの差別に加わって子供を煽り、差別される

子供達には首にスカーフまで付けさせる徹底ぶりです。二日目はスカーフ

を交換させ立ち場を逆転(スカーフをはずした時の子供の安堵の表情ときた

ら!)、三日目にグループ全体でどんな気持ちになったか、何を感じたか...

をディスカッションさせるというものです。


普段は無邪気な8歳の子供たちだが、傷つき傷つけられ、卑しめ卑しめられ...

を一日繰り返すだけで、差別する側は残忍さが増し、他方は萎縮しきった

様子に変化していきます。一日の終わりに先生が教科のテストをしたところ、

点数の差は歴然だったそうです。


もう、こちらは観ながら「こんなことしたらどうなるの〜!」とハラハラ

ドキドキ。そんな中で私の心を打ったのは、この先生が全くブレないこと。

差別をなくしたい!”という彼女の揺るぎない使命感がヒシヒシと伝わって

くるのです。その姿は、見ていて目頭が熱くなるほどです。


このプログラムには、大人の言葉で倫理観を教え込むのではなく、 差別した

とき・されたとき自分はどんな反応をしてどう感じたのか、なぜ差別は

いけないのか、を自分の言葉で語れる人間になってほしい!というこの先生

の熱い熱い想いがあります。...そして20数年後の同窓会。 

先生を囲んで、

「あのときの気持ちは決して忘れない」と元生徒達が、差別問題について

熱く語り合っていたのが印象的でした。


実はこの先生にも3人の子供がいたのですが、”黒人擁護派の子!”とそれぞれ

の学校でひどいイジメを受け、やむなく学区を変更....それでも彼女はめげずに

このプログラムを敢行し続け、後には政府からも仕事を依頼されたのです。


数十年前、この小さいクラスルームからどれほどの高い意識が生ま

れたことか。


また、『信念』とはこういうものか、と心打たれたエピソードでした。

メルマガ9 ”50000点をめざす”

  • 2009.07.17 Friday
  • 16:00
配信日:April 23, 2009



50000点。さて、何の点数か。


はい、あの小学校の頃集めた懐かしいベルマークの点数である。


娘の通う小学校でももちろん集めている。今年の初めのPTA役員会で文化部長さん(ベルマークも担当)が言った。


「3学期だけで5万点集めることを目標にします。これまで貯めた点数にあと5万点あれば、新しいカラー体操マットが10枚買える。4月に新学期を迎える子ども達のために頑張りましょう!」


「えっ!?たった3ヶ月で、ご、5万点?」


ちなみに”自由帳”についてくるベルマークはたったの1.5点....みんな唖然となり、校長先生までポカンとした顔になった。


カラーマットは決して安い物ではない。確かに新しいのを使わせてやりたいけれどーみなさんも覚えておられるだろう、体育館倉庫にあった穴やほこりだらけ、すえたニオイのする体操マットーでもでも50000点なんてムリ〜!と。


だがそれから『めざせ!ベルマーク5まんてん!』いうカラーポスターが、美しい体操マットの写真と共に学校のいたるところに 貼られ、それに刺激を受けた子ども達が動き出したのだ。


ランドセルから大切なノートを出してベルマークを切り取り、小さい手に握りしめてPTA室に何度も足を運ぶ子ども達.... うちの娘も新品の自由帳をはじめ、家中の商品をシラミつぶしに調べては切り取り学校に持って行った。それに刺激されて大人達も動き出した。年賀状印刷で使ったインクジェットにもベルマークはついてくる、ファミリー向け映画チケットにも...。


そして集計の日。山のように集まったベルマークを前に、委員さん達は震えたそうだ。集計結果は......40000点!なんと、新しいマットが9枚も買えたのだ。



この『めざせ!50000てん!』は、新しいマットだけでなく、小学校全体に一体感をももたらしてくれたように思う。


ちなみにこの素晴らしい部長さん、お子さんは6年生だった。

新しいカラーマットは使わずのまま、この3月卒業された。


大人として、親として、あっぱれだと思う。


メルマガ8 ”Being Judgemental”

  • 2009.07.17 Friday
  • 15:59

配信日:April 9, 2009


     今月より第2&第4木曜日配信となりました。

         どうぞ、よろしくお願いします。

              -kumi


********


うちは英語と日本語のバイリンガル家庭なので、よく友人らに

「家では何語で話しているの?」と聞かれる。その度にこう答える。

「うん、普段は日本語。ケンカすると英語」「.........???」


それは日本語ではとても回りくどくなる言い方が、英語だとスッと

ズバッと短く言える事が多いから。(もちろん逆さまの場合もある)


このズバッだが、私には忘れられない一件がある。

ある時サンフランシスコの友人に「ちょっと話したいことがあるから

時間とってほしい」と言われた。ああ先日の恋愛相談の続きだな、

と思って出かけて行くと....

「この前、私のBFのことを”横柄な人なんだね”とあなた言ったでしょう。

よく知りもしないで彼のことをそんな風に言われてちょっと傷ついたよ。 

You were being judgemental.」とズバッと言われたのだ。


judgemental のjudge =裁判官のジャッジ、審判を下す、という意味。


ドキッとした。


私は悩んでいる彼女の肩をもったつもりだった。でも言われてみると、

ほんの少しの情報だけで”この人はこういうひと”と完全に決めつけ、

私ってわかってるでしょ、とちょっと得意になっている自分もいた...。


恥ずかしくて穴に入りたい気持ちで即座にあやまり、そして同時に、

正直にこういう事を言ってくれた友人の存在と、こんな達者な

言い回しのある英語にも感謝した。


数年後コーチングの勉強を始めたとき、一番最初の授業は

『judgements 無しで人の話を聴く』だった。私がドキッとしながらも、

頑張って取り組んだ課題だったのは言うまでもない。


さて新年度を迎え、新しい人、新しい環境に出会う季節。


まずは先入観や偏見なしに、おつき合いしていきたいものである。


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