景色をかえる
- 2011.10.31 Monday
- 12:01
- まあ、お茶でも
- -
- -
『”思い込み”というワナ』
今月のはじめに、ある企業で上級管理職研修を行なったときのこと。
研修なかばで人事の方が「はあ〜っ。”思い込み”ってこわいですね〜
それがどれだけ相手の可能性をつぶすのか…いや、きたか…」と
驚嘆とため息まじりでつぶやかれました。
私はチームフロー流のコーチ(代表:平本あきお氏)なので、身体を
動かすことで脳を活性化して奥底にある想いを引き出す、五感を駆使して
その人の本気を引き出す、というコーチングを研修でも行います。
それにプラス、
欧米で開発されたシンプルなゲームやアクションラーニングを取り入れた
研修をするため、参加者はほとんど椅子に座らず、たえず立ったまま
ディスカッションしたり、汗をかいたり。はい、研修中は相当、体力知力を
使っていただくのが常で...(笑)
座学や難しいセオリーは他の先生諸氏に譲り、もっぱら体験から気づきに
落とし込んでいくタイプの研修をしますーコーチな講師、なのですね。
ところで冒頭の企業さんの話。研修前の人事部との打ち合わせで、これこれの
事をやろうとなったときに、「うーん、きっとうちの部長や副社長はそこまで
やらないでしょう…動かないですよ」とのお言葉でした。
ところが!
いざ研修に入っていくと、意外や意外、とても素直に大盛り上がりに
盛り上がってくださったのです。プルプル足をふるわせながら組体操したり、
迫真的な寸劇をしたり。見ている私が感動で涙がでそうでした。
ー相手の可能性を信じて、こちらから”本気で”関わることの大切さ。
ー何かに取り組む姿に、”正しい/まちがい”はない、と信じきること。
あの場にいた皆なが、それを共有できていたのだと感じています。
思い込みのワナ・・・どうでしょうか?
あなたがもしも色メガネをかけて、いま誰かと向き合っているとしたら。
一度、勇気をだしてメガネをはずし、その人と向き合ってみるのも
ひとつの道かもしれませんね!
『そのひと言!』
「そのひとことがっ!」と言われたら、あなたの中にどんな反応がありますか?
ーああ、いつも言われる…ひとこと多いって…
ーなによ〜、うるさい!
ーだいじに思ってるから、言ってあげてるのに…
などなど、色々な声が出てくると思います。
日本に帰国して丸6年が経ちましたが、私が今でも慣れないことの一つに
駅のおトイレや公共施設やレストランの壁にはってある「ひと言」張り紙が
あります。色々な色や形やフォント/手書きでペタペタ...
先日のこと。近所にある、ちょっと素敵な学習室で仕事をしようと思って
行くと...受付→廊下→学習室/トイレまで、フと気がつけば10個以上の
「ひと言!」が貼ってある。
トイレはこのウラ→ (見たらわかる!)
汚さずに使いましょう (知ってる!)
ブースの申し込みは〜までに(説明書にある!)
ここから先は〜だからダメ(はい)
あなたの次の人がいるから〜しましょう (わかってる!)
返却を忘れたら〜です (それも説明書にある!)
ランチはここではなく〜で (そりゃそーだろ)
ここは静かにする場所です... (わかってる!)
まあああああ、あることあること。びっくり☆
確かにあった方が良い事もある、でも中には脅しのような文面もあり...
いちいち皆さん読むのでしょうか。
これを見ていて、”ひと言!”があまりにも多いと自分がどうふるまうべきか、
『考えない人』が逆に出てくるような気がしました。
つまり、
公共の場だから静かにする、のではなく、注意が貼ってあるから静かにする、に。
冒頭の「ひと言!」の反応も同じこと。
自分はよかれと思って”言ってあげて”いることが、相手の思考や自立を妨げて
いることもあるかもしれません。さらには成長の機会をうばっていることも…。
もしかしたら、自分の満足のために発信したことごとーペタペタと相手の心に
貼った紙が、その人の持つ何かステキな芽をつんでしまったとしたら、
それはもったいないことですよね。
ところで今の日本、
電車の「おもいやりぞ〜ん」(優先座席)の張り紙やシール...
取っちゃったら、何がおこるのでしょう?
お互いを尊重し合う心のスペース、持ち続けたいものですネ。