メルマガ156号コラムより「文化的くくり」

  • 2015.09.26 Saturday
  • 10:38
配信日:September 25, 2015
 
 
 
『文化的くくり』
 
 
 
みなさま、お天気続きのシルバーウィークはどのように過ごされたでしょうか?
 
ゴールデンウィーク、シルバーウィークと国民の多くが一斉にお休みをとるという
”システム”は、アメリカが長かった私にとっては、何年たっても少し違和感を
伴うお休みでもあります(もちろん大好きですが、笑)。
 
アメリカ人は基本、“休暇は自分が好きな時にとるのが、働く者の権利“と
思っているので、好きなときに好きな日数だけ休む。周りへの迷惑はお互いさま
なので、遠慮はいらないという訳です。
 
先日アメリカ人のコンサルと組織文化の話をしていたときに、
彼女が「文化的なくくり」としてアメリカ人の場合は、
 
・look good (見栄えがよい)
・be right(正しくある)
・win (勝つ)
 
が、アメリカ社会で生きて行く上で切っても切れない文化的な通念として存在する
と思うと言っていました。イヤでも意識させられること、とも言えるかもしれません。
これを聞いて私は「たしかに!!!」と深〜く納得。
 
例えば、これは都市部での話になりますが「look good」は・・・
都心の一等地に職場があって、電車か車で30分圏内の郊外に4〜5つの寝室、
2〜3つのバスルーム、裏庭のある家を持ち、新車2台、子供は評判の良い私立へ。
これがいわゆる中流+の「見栄えが良い」暮らし(これのために、夫婦合わせた収入
の約半分がローンに消えてもOK!という人達が沢山いました)。
 
「be right」は、周りがどうであっても自分が正しいと思えば言うし行動する。
小さい子供連れで電車に乗っていても、スーパーで買い物をしていても、誰かが
必ずすっと手を差し伸べ助けてくれたのを覚えています。おせっかいな程に、
「ここはこういう場所だから〜はダメなのよ」と口を出してくる人も多く(笑)。
彼らなりの“正しいと思うことをする”なのでしょう。
 
「win」-- これは、わざわざ説明する必要もないと思うので、割愛。
 
 
もちろん全ての人がこれをやっている訳ではないのですが、社会にこれらが
色濃くでているのは、15年住んで確かに感じていたことです。
 
そして月一ペースで仕事のために来日している彼女に、「じゃあ日本は?」
と聞いてみると・・・
 
・完璧性
・結果より関係性
・失敗をしてはならない(ので、リスクをとらない)
 
と即答。
 
 
どちらに優劣があるとか良い悪いではなく、これらは強味にもなるし弱味にもなること。
自分たちのことを客観的に見つめる切り口として、常に意識しておきたいと思いました。
 
 

メルマガ155号コラムより『ファルコンのこころ』

  • 2015.09.12 Saturday
  • 10:26
配信日:September 11, 2015
 
 
 
『ファルコンのこころ』
 
 
今週放映されたNHKの「プロフェッショナル」では、恐竜学者の小林快次氏が
フィーチャーされていました。氏はこれまでに新種の恐竜を7つも発見、
化石を見つけることにかけては、その知識力と共に世界中の恐竜学者達が
一目を置く存在だそうです。
 
ゴツゴツとした岩と土砂でできている山を黙々と歩きながら、同業者達が
「ハヤブサの目(falcon’s eye)」と呼ぶ眼力で化石を見つけて行く雄々しい
姿は、これまで私が考古学者に持っていたイメージとは全く違うものでした。
 
 
インタビューの中で、心に響く言葉が出て来たのでご紹介すると...
 
 「(化石が)そこに必ずあると信じるんです」
 恐竜の調査って、『無い』と思い始めたらきりがない。僕は『必ずある』
 という前提で探す。見つからないと普通は諦めちゃうんですけど、
 僕は残された面積が減るということは、見つかる可能性がどんどん高く
 なっていると考える。だから無いことを逆に喜びにしているんです。
 もう一歩先に行くと、次は見つかる。
 
 
これを聞いた瞬間、私の中でゴソッと何かが入れ替わったような気持ちに
なりました。広大なアラスカ国立公園の一つの山をターゲットにして
ひたすら歩く、そしてそこに化石がなければ、その分探さなければならない
面積は減る=残された土地には必ずあるから可能性が高まった、という考え方。
 
なんとポジティブな...と軽く表現してはならない気迫と内から湧き出る
喜びを、氏の表情に感じました。彼は楽観的なのではなく、本当に心の底から
そう信じきっているのだ...と感動を覚えました。
 
 
そして、
「今の私は何をそこまで信じているだろう?」
という問いが出てきました。
 
あえて勇気を出して言葉にしてみると・・・
「人は、求める限り、成長しつづけていける」でしょうか。
 
 
・・・あなたは、何を信じきれていますか?
 
 
 

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